2017年1月1日日曜日

2017年新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。

本年は弊社として、様々なイベントに積極的に参加していきたいと考えております。
可能な限り、地方にもお邪魔させていただく事になると思いますが
お近くにおいでの際は、是非お気軽にお立ち寄り下さい。

その際に何かご要望等ございましたらば、遠慮無くお知らせ下さい。
可能な限り、対応させて戴ければと考えております。

今年も弊社を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2016年12月31日土曜日

2016年のご挨拶

2016年も、残すところあとわずかとなりました。

今年はポータブル製品に参入させて戴き、
私どもとしても、驚きと新たな発見の連続でございました。

新年も様々な製品開発や、取り回しの良い線材等を
開発していきたいと考えております。

イベントでは至らぬ所も数多くあったかとは思います。
新年はその反省を生かし、皆様の声を励みに
弊社独自の面白い製品や
高品位なサウンドを生み出していきたいと思っております。

2017年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

Qコラムについて

しばらく更新が出来ておらず、楽しみにされている方には申し訳ございません。
現在、製品製作に専念しております。徐々に再開して参りますので
今暫くお時間を戴ければと存じます。

2016年10月12日水曜日

デジタルなのに何故音が変わるのか その2

一言でデジタルケーブルと言っても、様々な種類が存在します。
特に最近はハイレゾソースが増え、それをデジタルで伝送する方式は
使用するケーブルが同じでも、メーカー毎に伝送方式が異なっている場合もあり、
混乱に拍車を掛けてしまっているのが実情です。

デジタルケーブルを各種挙げてみますと

○同軸(COAX)ケーブル
同軸ケーブルを用いたCOAXIAL(略してCOAX)接続と呼ばれ
コネクタには主にRCA(一部にBNCプラグ)を用いた方式です。

○TOS-LINK(丸形光)ケーブル
一方でTOS(東芝の頭文字からTOS)ケーブルと呼ばれる光ケーブルでも
接続されることが多く、コネクタは角形が主に用いられます。
ポータブル用途に丸形(3.5mmミニプラグと同一)が使用される場合もあります。
STと呼ばれるロック式の光ケーブル接続も存在します。

この2つはS/PDIF(ソニー・フィリップス・デジタルインターフェイス・フォーマット)
と呼称され同軸接続ではインピーダンス規定が75Ωと定められています。

主に特徴を挙げると
利点として
・シンプルで音声データのみ送り出す規格であること。
・元になった規格が業務用途で、それを元に民生向けに作られた規格であるため
信号劣化が比較的少ない。

欠点としては
・古い規格であるため、最大で24bit幅の伝送が限界(16bitと予備8bit)。
・TOSケーブルでは最大で96kHzまでの規格制定(実際には192kHz伝送可能な物もあり)。
・エラー訂正能力が低く、相互通信では無い為にデータ欠損が起こりやすい。
等が挙げられます。

○LAN(RJ-45,Ethernet)接続
次にLANケーブルを用いるEthernet方式ですが
実際は細かく分かれており、幾つかの種類と制御方式が存在します。
※長くなりますので別の機会に説明致します。

利点として
・高周波を想定した規格であり、超高速通信に用いられている最も普及した物である為
製品が非常に多く、測定環境も充実している。
・インターネットとの適合性が高く、クラウドを中心とした様々なサービスの恩恵を受けられる。
・ケーブルは十分普及しており、安価な物から通信用途に至るまで幅広く選択が可能。

欠点として
・高速通信対応のケーブルやプロトコルが、必ずしも高音質と結びつく訳では無い事。
・高い周波数を扱う銅線材(メタル線)な為、近くを通るアナログ回路に与える影響が
かなり大きい事が挙げられます。

○USB接続
こちらは一般的なUSB1.1とUSB2.0があり、更にソフトウェア制御(Driver)にも
USB Audio ClassとDSDを運ぶ為のDoP方式等が存在しています。

利点としては
・最も汎用性が高く、PCの種類を選ぶ事無く最も手軽に接続が可能。
・電源線を内蔵している為、バスパワー動作(USBケーブルのみでの動作)が可能。

欠点としては
・電源線と平行している為、ノイズの影響を受けやすい。
・DSD伝送を規格上認めていないUSBで、DoP方式では実際のDSDデータとは別に
ダミーデータを送る為、実データ比で約1.4倍の帯域が必要となる。
・USBの規格上、音声用途以外の機器が同じラインで動作する(ノイズ源になる)場合が多い。
・高周波数を扱う銅線材(メタル線)な為、近くを通るアナログ回路に与える影響がかなり大きい事。
等が挙げられます。

○SDIF接続
SDIF(ソニー・デジタルインターフェイス)2とSDIF3と言う業務用規格もあります。

SDIF2は75ΩのBNCケーブルをchごとに1本ずつとclock用にもう1本の計3本用います。
伝送出来るformatは44.1/48kHzのPCMとDSD64(2.8MHz)の3種類です。
以前、業務用機も扱っていたdCS社の高級機器に採用されています。

SDIF3は75ΩのBNCケーブルをchごとに1本ずつでclock信号を内包しています。
伝送出来るformatはDSD64(2.8MHz)/128(5.6MHz)に対応しています。
SDIF2の上位規格で、SDIF2同様にclockを別途供給することも可能です。

利点としては
・音声専用の業務用規格なので、音声信号以外の無駄なデータが送られない。
・BNCコネクタを用いるので、厳密なケーブルインピーダンス管理が可能。

欠点としては
・業務用規格な為、民生機器では一部を除き対応していない。
・ch毎にケーブルが必要な為、ケーブルの本数が増えてしまう。
・対応formatが限定されているので、PCMとDSDをスムーズに扱うことが出来ない。

等が挙げられます。

この様にそれぞれの方式には様々な特徴があります。
この点を踏まえた上で、実際に出音にどの影響するかについて
次回、お話ししたいと思います。

2016年10月5日水曜日

デジタルなのに何故音が変わるのか その1

イベントで、デジタル同軸ケーブルやOTGケーブルを
交換した際に「デジタルでも音が変わるんですね。」と言う感想を
必ずと言って良い程戴きます。

前回、DACについての話をしようと思っていたのですが
それにも関連した、デジタル伝送で音が変わる理由を
出来るだけかみ砕いて、分かりやすく小分けにし、お話ししようと思います。

寄せられる質問の中には
「COAXやTOS(光)伝送はデジタルなので(ケーブルでは)音は変わらない」
「USB接続はデジタルなので(データ欠損さえ無ければ)音は変わらない」
と言った話を伺う事があります。

主観ですが、充分にノイズ対策されたUSB機器と通常の汎用機器で比較した場合、
ケーブルによってもアナログ線とはまた違った方向性での変化を感じます。

このデジタルなのに音が変わる理由として挙げられるのが

・様々なノイズがケーブルを伝わり、D/Aコンバーターのアナログ回路に
影響を及ぼす為。と考えられます。

例えばスイッチング電源回路から発生する強いノイズや
デジタル回路で発生した高周波ノイズ等が、ケーブルを経由して
DAC内部のアナログ回路に悪影響を与えます。

音声信号伝送に比べて電源は、伝送する電流量が大きく
特にAC(交流)線は周波数があるのでハムノイズの原因ともなります。
これらが音質に与える影響は、かなり大きいであろう事は想像に難くないと思います。


※USBケーブルに実際に乗っているノイズの一例


デジタル伝送と言っても、実際には様々な方式が存在しています。

・最も昔からあり、光ケーブルと同軸ケーブルを用いるS/PDIF方式
・S/PDIFから派生し、グラウンドを追加し、電圧を高めたAES/EBU方式
・LANケーブルを用いてデータ転送を行うETHERNET方式
・USBケーブルを用いてPCMやDSDも含めたデータ転送を行うDoP方式

デジタル伝送のデータがケーブルの所為でデータ欠損が起こったり、エラーが生じる事で
音が悪くなる場合もあります。
エラー訂正能力の無い規格であるS/PDIF方式では、Lockそのものに支障が出て
音が途切れたりノイズが出たりして、正常に再生する事が出来ません。

ETHERNET方式とUSB方式では、強力なデータ訂正能力と
大容量バッファ(メモリ)がある為、ある程度のデータ欠損では再生には支障が出ない
場合が多いようです。その代わりエラー訂正の為に処理能力を多く行うので、
消費電力も増え、音質に悪影響が出る恐れが高まります。


次回はケーブルの種類による
音質への影響度合いが、どの様に変わるかをお話ししようと思います。

2016年10月1日土曜日

ポタ展関西2016夏 参加のご報告

あれ?ポタ研のご報告は前にあったはず…、と言う訳では無く
ポタ展関西と言う、元々が個人イベントをベースにした
小規模の展示会に参加させて戴きました。

弊社としては関西方面での初イベントとなりました

かなりマニア色の強いイベントとは聞いていましたが、実験機や試聴機が多く展示され
来客された方も、長い時間試聴していただき
全体的にアットホーム的な雰囲気の中、参加する事が出来ました。


MURAKUMO+α(アトラクション用イヤホンケーブル)

ポタ展向けに仕上げた導体量を増やし、より重厚な音質を狙った、
ハイエンドイヤホンケーブルになります。
MURAKUMO特有のの取り回しの悪さは分岐までで、分岐先は新しい素材を用いる事で
比較的(?)フレキシブルに仕上げたモデルとなります。
試聴されたお客様からもご意見を戴き、更に改良して次のイベントにもお持ちしたいと思います。


会場限定専用 mini-mini ケーブル

会場限定販売用のミニミニケーブルをお持ちしました。
シンプルな構造ですが、弊社のケーブルの中でも最も
フレキシブルに扱え、音質傾向も低域が充実している為
会場ではご好評を戴きました。


OTGケーブル各種
間もなく発売予定のOTGケーブルのテスト品になります。
こちらもフレキシブルですが、内容は製品版のベースとなる物で
会場でも市販品やお持ち戴いた物との差に、
驚かれるお客様もいらっしゃいました。


UPG001-HPケーブル

こちらはSTD001HPをベースに左右独立の線材構造とした上位モデルです。
専用のケーブルスライダーを装着しています。

ヘッドフォンリケーブルの中でも、業界最大クラスの導体量と
端子から端子まで、よりノイズに強い結線構造で統一した意欲作です。
極めて質感が高く、とても大人な音質が愉しめるのではと思います。


御礼

弊社ブースにお立ち寄りいただきましたお客様には心から御礼申し上げます。
近々、また大阪で何らかのイベントを行えるかと思います。
再びお越し戴き、楽しんで戴けばと思います。


今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

2016年9月14日水曜日

PCオーディオとの関係性 その4

最近では、DSDを再生する機器が増えてきています。
これにはDSD入力に対応したD/Aコンバーターが増えてきた背景があります。

10年程前までは、192kHzまでの24bitPCMまで処理出来れば済んでいた物が
ここ数年でPCMは32bit,768kHzにも及ぶ膨大なハイビット・ハイサンプリングデータの処理に加え、
DSDも24MHzに及ぶ超高速サンプリングレートにまで対応する物が出て来ました。

これらの多彩なフォーマットに対しての実際の処理方法は、
メーカー各社で、処理方式が大幅に異なっています。

では実際にどう言った処理をされた上で、変換されているのかは
メーカーによっては非公開のものもあり、その手法や変換プロセスも
各社のノウハウになっている様です。

据え置き機であれば、実装のサイズが大規模になりやすい
ディスクリート(特定のICを用いず、回路構成を独自に組み上げ別々の回路で組む)方式で
組む事も可能ですが、ポータブル機では
サイズと消費電力の面から、なかなか実現と採用が難しいところでもあると思います。

DSDは2.8MHz(DSD64),5.6MHz(DSD128),11.2MHz(DSD256)と、ビットレート的に見ても
既存のハイレゾPCMデータと比較しても、膨大なデータ量になります。

例えばCDの1411200bpsに対して、SACDのDSD64では5644800bpsになり、4倍にもなります。
この膨大なデータ量を処理する為に、多くの帯域を使用します。
それに伴って処理もほぼ比例して上がる事になり、
消費電力が増大して行く事は、知っていた方が良いかも知れません。


次回は最近動きの激しいDACとその音質傾向について、お話ししたいと思います。