2016年5月31日火曜日

春のヘッドホン祭り2016のご報告

先日、春のヘッドホン祭りが開催され、参加させて戴きました。
弊社としては、こう言ったイベント参加は初めてでしたので
不安と期待とが入り交じった気持ちで挑みました。


全体の感想

このイベントは若い方が多く、私が個人的に参加してきたオーディオ関連の
どのイベントよりも、活気に溢れた物でした。
今回、何よりも強く感じたのはお客様の真剣さでした。

もう一つ感じた事は、同じモデルを試聴なさっても、音の感想が人によって
かなり異なるという点でした。
スピーカーのように、ある程度同一環境で聴く物とは事なり、耳の形や
再生環境、使用環境やモデルによっても大幅に変わりますので、
この点もポータブルの特徴かと思いました。


弊社ブースにいらしたお客様の傾向

特にA&K社をはじめとするDAP、特にAK380をお持ちの方(さも当然の如く持ち込まれるCopper率多いこと!)と、カスタムIEMをお持ちの方がとても多かったと思います。

ヘッドフォン試聴に関しても、他を寄せ付けない程の本気仕様で試聴される方もいらっしゃる所を見ると、このイベントの凄さと面白さを感じることが出来ました。
2日目の弊社ブース

※各製品の感想など
mini-mini ケーブル

弊社のポータブル製品第一号になります。
こちらは全種類お持ちし、その場で比較試聴して戴きました。

このシリーズで最も気になっていた点はやはりその硬さと太さです。
かなり短い長さと距離を、180度近く曲げて使う物ですので
受け入れられないのでは無いかと心配していました。

会場ではこの予想に反し、思ったより柔らかかったと言う意見も多く戴き
ホッと無でをなで下ろしました。

※このモデルは現在、フジヤエービック様で全機種試聴可能です。
興味のある方は是非、聴いてみて下さい。


STD001シリーズ

この製品は、高品位を保ちつつ出来るだけ多くの方に弊社製品を楽しんで戴く為に企画・製作した意欲作です。実は現在の所、機械撚りではなく、全て11本手作業で撚り合わせています。
これは撚りのパターンを途中で変えている為で、4芯集合している部分には、カラーバリエーション対応のチューブを被せています。

店舗様では色は限定になると思いますが、弊社本店では各色をお選び戴けます。

また同時に当社では特にIEMのリファレンス的なモデルが試聴機に、
何か用意したいな、とは感じました。

※このモデルは現在、フジヤエービック様で試聴可能です。
興味のある方は、是非聴いてみて下さい。


MURAKUMO+α(アトラクション用イヤホンケーブル)

今回出展したものは、ヘッドフォン祭りならではのネタは無いかと模索し出来上がった、出来うるだけの事は全て行ったイヤホンケーブルになります。とは言え、あまりの太さと硬さに、流石に常用は難しいと、作った私も思います。しかしながら意外にも、この程度の取り回しであれば問題ない。とのお声をちらほら戴き、逆に驚いてしまいました。

製作の仕様は3.5mm,3,IEM2pinと言ったごくオーソドックスな物ですが、今回持ってきたリケーブルの中で、私自身としても他で聞いた事の無いような「凄み」がある音が出ていたように思いました。

これを活かすには、ハイエンドクラスのDAPAMPが必要になるなとも感じました。


ヘッドフォンリケーブル各種

中継部をジョイント式にする事で、様々なヘッドフォンに対応させた試聴専用機を
お持ちしました。
モデルはMURAKUMO,MASAMUNE,SHINKAI,OSAFUNE,STD001(試作β版)
用意し、各種試聴可能に致しました。

音質面から、3極プラグを選択しましたのでアンバランスのみの試聴になりますが
内部は製品版同様に4芯構成ですので、実際にはバランス対応は容易な設計になっています。

特に試聴希望の多かったモデルはETHERLCDシリーズで、その堂々とした佇まいと
弊社のケーブルが、比較的バランスが取れていたように感じました。

※このモデルは現在、フジヤエービック様でMURAKUMOを除く機種が試聴可能です。
興味のある方は是非、聴いてみて下さい。


私見

特に印象に残っているのは、(オーディオイベントとしては)女性の来場者が
多かった事で、特に「ケーブルに興味がある」と仰った女性二人組の方々に
お目にかかったのは人生初でした()

装着感やイヤホンの性質、DAPも含めて様々なモデルがありますので
当然とも思いますが、なかなか興味深いご意見を戴きました。

音質よりも装着感を優先させる方が多いのは当然だと思います。
多少の不便さには目をつぶりつつも、音質を何よりも優先させる方が
予想よりも多くいらっしゃったのには驚きました。

最近のDAPは、やはりAK社製の物を最も多く見掛けました。
アンバランスとバランス接続での差は、私見ですが半々位では無かったかと思います。
イヤホンは弊社に来られる方の割合では2pinが多く、カスタムIEMの比率が高いからでは無いかと推測しました。
皆様、かなり高級な機種をお持ちの方が多く、デザイン面でもカラフルで
私個人的にも、欲しくなってしまいました。


御礼

今回、ヘッドホン祭りは初参加で、皆様には何かとご不便をお掛けしたかと思います。
次回も是非、この反省点を活かし、また参加させて戴ければと考えております。

また、評価を直接戴けるのは非常にありがたく、大変貴重な場でした。
まだまだ市場の動向を掴みきれていない部分もあり、皆様には今後も様々なご意見を
頂ければと思います。

弊社ブースにお立ち寄りいただきましたお客様には心から御礼申し上げます。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

2016年5月6日金曜日

ポータブル機器とリケーブルとの出会い(その2)

私が高校生になった頃、憧れだった携帯CDプレーヤーを導入しました。

当時唯一認められていた郵便局配達をしてお金を貯めて
喜び勇んで買い求めた記憶があります。

ところがそのCDを聴いてみると、音に妙な違和感を覚えました。
カセットの様にテンポが早かったり、音がフラフラと揺らぐ様な事もありません。
ですが何となく不快な感じの音でした。

据置デッキで再生すると、その様な違和感は全く無かったので
ソースの問題では無いことも分かりました。

後から判った事ですが、CD携帯プレーヤーは音飛びを防止する為に
バッファメモリを搭載していました。その容量に余裕が無い為、一度圧縮を掛けて
メモリ容量を節約し、DACへ送る仕組みだったのです。

つまり音飛び防止機構を搭載した以降のモデルは、全て圧縮された音を
知らず知らずのうちに聴かされていたと言う事になります。
※当時、この事はカタログには記載されていませんでした。

その後、音質的に満足行く携帯プレーヤーに出会うには暫く時間が掛かりましたが
行き着いた先に購入したのがSONYのDAT ウォークマンWM-DT1でした。

ここまで来て、ようやく音質的に満足のいく物が得られたのですが
問題もありました。このモデルにはリモコンが付属しているのですが
端子が特殊で、マイクロプラグと言う規格形状でした。
先端が細くなっているので、先端も曲がり易かったのです。
現在の様な2.5mmφ4極の様に音質的なメリットがあるわけでも無いので
無意味な規格だったように思います。

イヤホンも1mほどの長さで3.5mmφタイプと、40cm位の長さでマイクロプラグとが、ぞれぞれ別々に販売されていました。
この互換性の無さは、現在も形を変え、残っているのなと
思うところがあります。

DATはヘッドを音飛び防止する為に倍速でヘッドを回転させていた事もあり
電池消費がとても激しい物でした。
テープですから頭出しも遅く、現在のプレーヤーをお使いの方々には
まず納得出来ないレベルの物だったと思います。

こんな事も有り、もう少し実用的な物は無いかと思っていた頃に
MD が登場しました。私もすぐに導入しましたが、このMDも
後に色々と悩ませることになるのでした…。

次回につづきます。