当時唯一認められていた郵便局配達をしてお金を貯めて
喜び勇んで買い求めた記憶があります。
ところがそのCDを聴いてみると、音に妙な違和感を覚えました。
カセットの様にテンポが早かったり、音がフラフラと揺らぐ様な事もありません。
ですが何となく不快な感じの音でした。
据置デッキで再生すると、その様な違和感は全く無かったので
ソースの問題では無いことも分かりました。
後から判った事ですが、CD携帯プレーヤーは音飛びを防止する為に
バッファメモリを搭載していました。その容量に余裕が無い為、一度圧縮を掛けて
メモリ容量を節約し、DACへ送る仕組みだったのです。
つまり音飛び防止機構を搭載した以降のモデルは、全て圧縮された音を
知らず知らずのうちに聴かされていたと言う事になります。
※当時、この事はカタログには記載されていませんでした。
その後、音質的に満足行く携帯プレーヤーに出会うには暫く時間が掛かりましたが
行き着いた先に購入したのがSONYのDAT ウォークマンWM-DT1でした。
ここまで来て、ようやく音質的に満足のいく物が得られたのですが
問題もありました。このモデルにはリモコンが付属しているのですが
端子が特殊で、マイクロプラグと言う規格形状でした。
先端が細くなっているので、先端も曲がり易かったのです。
現在の様な2.5mmφ4極の様に音質的なメリットがあるわけでも無いので
無意味な規格だったように思います。
イヤホンも1mほどの長さで3.5mmφタイプと、40cm位の長さでマイクロプラグとが、ぞれぞれ別々に販売されていました。
この互換性の無さは、現在も形を変え、残っているのなと
思うところがあります。
DATはヘッドを音飛び防止する為に倍速でヘッドを回転させていた事もあり
電池消費がとても激しい物でした。
テープですから頭出しも遅く、現在のプレーヤーをお使いの方々には
まず納得出来ないレベルの物だったと思います。
こんな事も有り、もう少し実用的な物は無いかと思っていた頃に
MD が登場しました。私もすぐに導入しましたが、このMDも
後に色々と悩ませることになるのでした…。
次回につづきます。