これにはDSD入力に対応したD/Aコンバーターが増えてきた背景があります。
10年程前までは、192kHzまでの24bitPCMまで処理出来れば済んでいた物が
ここ数年でPCMは32bit,768kHzにも及ぶ膨大なハイビット・ハイサンプリングデータの処理に加え、
DSDも24MHzに及ぶ超高速サンプリングレートにまで対応する物が出て来ました。
これらの多彩なフォーマットに対しての実際の処理方法は、
メーカー各社で、処理方式が大幅に異なっています。
では実際にどう言った処理をされた上で、変換されているのかは
メーカーによっては非公開のものもあり、その手法や変換プロセスも
各社のノウハウになっている様です。
据え置き機であれば、実装のサイズが大規模になりやすい
ディスクリート(特定のICを用いず、回路構成を独自に組み上げ別々の回路で組む)方式で
組む事も可能ですが、ポータブル機では
サイズと消費電力の面から、なかなか実現と採用が難しいところでもあると思います。
DSDは2.8MHz(DSD64),5.6MHz(DSD128),11.2MHz(DSD256)と、ビットレート的に見ても
既存のハイレゾPCMデータと比較しても、膨大なデータ量になります。
例えばCDの1411200bpsに対して、SACDのDSD64では5644800bpsになり、4倍にもなります。
この膨大なデータ量を処理する為に、多くの帯域を使用します。
それに伴って処理もほぼ比例して上がる事になり、
消費電力が増大して行く事は、知っていた方が良いかも知れません。
次回は最近動きの激しいDACとその音質傾向について、お話ししたいと思います。