2016年9月2日金曜日

PCオーディオとの関係性 その3

少し間が空いてしまいましたが、今は下火となった
PCオーディオ用途向けと、現在の一般的PCとの主な違いについてお話しします。

音の良いPCは、どう作ればいいのですか?と言ったご質問を戴く事があります。
一言でお答えするのは少々難しいのですが、その用途ハードウェアによって
様々な方策が考えられます。

大きく分けて、原則下記の条件を可能な限り満たす物だろう、と考えています。

・出来るだけ消費電力を抑えた、省エネタイプを選ぶ
・音楽再生時に負荷率を抑えられる構成を選ぶ
・デバイス数は可能な限り減らす(余計な物を使用しない)

一般的なPCであれば、単に処理能力が高い程優れている
と言う理解で問題はありません。

ではオーディオ用途向けPCは、消費電力さえ低ければ良いのでしょうか?
ここで勘違いしやすいのは、低消費電力にこだわり過ぎて
処理能力があまりに低いタイプにしてしまうと、CPUやシステム負荷率が
再生時に高止まりしてしまい、結果的に平均的な消費電力が上がってしまう場合がある事です。

例を挙げますと、最近ハイレゾ音源にDSD音源が多くなってきました。

このDSDと言う音源は、PC抜きにしては編集がしづらい等の
やや扱いづらい側面があり、再生にも支障が出たりするケースがあると思います。

そして何より編集だけではなく単なる再生に関しても、CPUのパワーをかなり使います。
これには理由があります。

・PCの内蔵音源ボードには、DSDをそのままサウンドカード側で処理出来ない
(PCMしか読み込めない)物が殆どで、DSDをリアルタイムにPCMへ変換してから送るため、
かなりのCPUパワーを消費する。

・USBでのDSD伝送で現在主流のDoP方式は、DSDデータをPCMデータに偽装し伝送するため
DSDストリーム方式に比べて、およそ1.4倍近いデータを送っています。
この事からより大きな伝送帯域の確保と、多くの処理能力を必要とします。

この様な理由から、DSDの取り扱いには
より処理速度の速いPCを必要とする事が分かります。

速さと消費電力、この矛盾したバランスを何処で取るのか。
その見極めこそが、PCオーディオ用途での選び方に繋がると思います。

次回は普及してきた汎用機でのハイレゾデータの扱いについてお話ししたいと思います。