一言でデジタルケーブルと言っても、様々な種類が存在します。
特に最近はハイレゾソースが増え、それをデジタルで伝送する方式は
使用するケーブルが同じでも、メーカー毎に伝送方式が異なっている場合もあり、
混乱に拍車を掛けてしまっているのが実情です。
デジタルケーブルを各種挙げてみますと
○同軸(COAX)ケーブル
同軸ケーブルを用いたCOAXIAL(略してCOAX)接続と呼ばれ
コネクタには主にRCA(一部にBNCプラグ)を用いた方式です。
○TOS-LINK(丸形光)ケーブル
一方でTOS(東芝の頭文字からTOS)ケーブルと呼ばれる光ケーブルでも
接続されることが多く、コネクタは角形が主に用いられます。
ポータブル用途に丸形(3.5mmミニプラグと同一)が使用される場合もあります。
STと呼ばれるロック式の光ケーブル接続も存在します。
この2つはS/PDIF(ソニー・フィリップス・デジタルインターフェイス・フォーマット)
と呼称され同軸接続ではインピーダンス規定が75Ωと定められています。
主に特徴を挙げると
利点として
・シンプルで音声データのみ送り出す規格であること。
・元になった規格が業務用途で、それを元に民生向けに作られた規格であるため
信号劣化が比較的少ない。
欠点としては
・古い規格であるため、最大で24bit幅の伝送が限界(16bitと予備8bit)。
・TOSケーブルでは最大で96kHzまでの規格制定(実際には192kHz伝送可能な物もあり)。
・エラー訂正能力が低く、相互通信では無い為にデータ欠損が起こりやすい。
等が挙げられます。
○LAN(RJ-45,Ethernet)接続
次にLANケーブルを用いるEthernet方式ですが
実際は細かく分かれており、幾つかの種類と制御方式が存在します。
※長くなりますので別の機会に説明致します。
利点として
・高周波を想定した規格であり、超高速通信に用いられている最も普及した物である為
製品が非常に多く、測定環境も充実している。
・インターネットとの適合性が高く、クラウドを中心とした様々なサービスの恩恵を受けられる。
・ケーブルは十分普及しており、安価な物から通信用途に至るまで幅広く選択が可能。
欠点として
・高速通信対応のケーブルやプロトコルが、必ずしも高音質と結びつく訳では無い事。
・高い周波数を扱う銅線材(メタル線)な為、近くを通るアナログ回路に与える影響が
かなり大きい事が挙げられます。
○USB接続
こちらは一般的なUSB1.1とUSB2.0があり、更にソフトウェア制御(Driver)にも
USB Audio ClassとDSDを運ぶ為のDoP方式等が存在しています。
利点としては
・最も汎用性が高く、PCの種類を選ぶ事無く最も手軽に接続が可能。
・電源線を内蔵している為、バスパワー動作(USBケーブルのみでの動作)が可能。
欠点としては
・電源線と平行している為、ノイズの影響を受けやすい。
・DSD伝送を規格上認めていないUSBで、DoP方式では実際のDSDデータとは別に
ダミーデータを送る為、実データ比で約1.4倍の帯域が必要となる。
・USBの規格上、音声用途以外の機器が同じラインで動作する(ノイズ源になる)場合が多い。
・高周波数を扱う銅線材(メタル線)な為、近くを通るアナログ回路に与える影響がかなり大きい事。
等が挙げられます。
○SDIF接続
SDIF(ソニー・デジタルインターフェイス)2とSDIF3と言う業務用規格もあります。
SDIF2は75ΩのBNCケーブルをchごとに1本ずつとclock用にもう1本の計3本用います。
伝送出来るformatは44.1/48kHzのPCMとDSD64(2.8MHz)の3種類です。
以前、業務用機も扱っていたdCS社の高級機器に採用されています。
SDIF3は75ΩのBNCケーブルをchごとに1本ずつでclock信号を内包しています。
伝送出来るformatはDSD64(2.8MHz)/128(5.6MHz)に対応しています。
SDIF2の上位規格で、SDIF2同様にclockを別途供給することも可能です。
利点としては
・音声専用の業務用規格なので、音声信号以外の無駄なデータが送られない。
・BNCコネクタを用いるので、厳密なケーブルインピーダンス管理が可能。
欠点としては
・業務用規格な為、民生機器では一部を除き対応していない。
・ch毎にケーブルが必要な為、ケーブルの本数が増えてしまう。
・対応formatが限定されているので、PCMとDSDをスムーズに扱うことが出来ない。
等が挙げられます。
この様にそれぞれの方式には様々な特徴があります。
この点を踏まえた上で、実際に出音にどの影響するかについて
次回、お話ししたいと思います。
2016年10月12日水曜日
2016年7月5日火曜日
ケーブルの方向性について その2
さて前回に引き続き、ケーブルの方向性についてです。
今回は、弊社でケーブルを製作する際、実際にどの様な管理方法を行っているかお話ししたいと思います。
弊社のケーブルは、解説にもありますが、多くの素材を複数使用して
ケーブル周囲に何層にもなる複雑な構造をしています。
これらの素材にも、表裏が存在する物もあります。
制作時にはその素材の表裏、例えば繊維の場合、
繊維に合わせた巻き方をしています。
繊維の目に逆らわず、その目に従った方向に合わせて切り出してから
ケーブルに巻いていくことで、素材自体を高いテンションを掛けながら
巻くことが可能になります。
個体差を出来うる限り少なくし、安定した性能を発揮出来る様、
製造を行っています。
ケーブルは曲げを行う物ですので、硬い素材は柔軟性を損ないます。
柔らかさを出来る限り保つ為、巻き方にも留意しています。
ツイストや捻りの向きに関しても、曲げを阻害しない
編み方や撚り方を採用しています。
この様に、特殊素材の方向性や向きも
製造時に一貫性を持たせる工夫を凝らすことで
製品の開発にも役立てています。
弊社のケーブルは手作業での製造を基本としています。
その理由の一つは、こう言った様々な素材やその利用方法に至るまで
工夫とアイデアを活かし、製品に活かす為でもあります。
音質面でのバランスを取るには、導体だけではなく
その絶縁材や取り回し、追加素材の向きや表裏、掛かるテンションに至るまで、効果の度合いは違えども、様々な要因が全てが影響してきます。
バランスを取りつつ、出来る限り使いやすいケーブルを開発するべく
日々研究して行きたいと考えています。
今回は、弊社でケーブルを製作する際、実際にどの様な管理方法を行っているかお話ししたいと思います。
弊社のケーブルは、解説にもありますが、多くの素材を複数使用して
ケーブル周囲に何層にもなる複雑な構造をしています。
これらの素材にも、表裏が存在する物もあります。
制作時にはその素材の表裏、例えば繊維の場合、
繊維に合わせた巻き方をしています。
繊維の目に逆らわず、その目に従った方向に合わせて切り出してから
ケーブルに巻いていくことで、素材自体を高いテンションを掛けながら
巻くことが可能になります。
個体差を出来うる限り少なくし、安定した性能を発揮出来る様、
製造を行っています。
ケーブルは曲げを行う物ですので、硬い素材は柔軟性を損ないます。
柔らかさを出来る限り保つ為、巻き方にも留意しています。
ツイストや捻りの向きに関しても、曲げを阻害しない
編み方や撚り方を採用しています。
この様に、特殊素材の方向性や向きも
製造時に一貫性を持たせる工夫を凝らすことで
製品の開発にも役立てています。
弊社のケーブルは手作業での製造を基本としています。
その理由の一つは、こう言った様々な素材やその利用方法に至るまで
工夫とアイデアを活かし、製品に活かす為でもあります。
音質面でのバランスを取るには、導体だけではなく
その絶縁材や取り回し、追加素材の向きや表裏、掛かるテンションに至るまで、効果の度合いは違えども、様々な要因が全てが影響してきます。
バランスを取りつつ、出来る限り使いやすいケーブルを開発するべく
日々研究して行きたいと考えています。
2016年6月30日木曜日
ケーブルの方向性について その1
お客様から、ケーブルの方向性についてご質問を戴く事がよくあります。
話題にも良く上るこの「ケーブルの方向性」についてですが、
改めて説明したことが無かったと思いますので
この点について、私の見解を述べてみようと思います。
ケーブルの方向性で音が変わるという経験は
日常茶飯事的に感じています。
ケーブルの方向性で音が変わるはずが無い。と言うご意見や
周波数特性を方向でそれぞれに測定しても、明確な差異は測定に表れないので、その微少な差を人間が聞き取れるはずが無い。
等の意見も良く耳にします。
私の考えではケーブルの方向性と導体の方向性には一貫性は無いだろうと思っています。撚り線に用いられる導体一本一本には、確かに圧延する方向が存在しますが、それ等を圧延して細く引き延ばす行程を経て
撚り合わせる際、リールから銅線が圧延方向と同じ向きに管理(セット)
される保証はまず無いだろう、と言うのがその理由です。
単線であれば、この撚り線の様な撚り合わせによる方向性の差異は
起こらないと思いますが、線材の方向性は同様に存在します。
ケーブルのシースに印字されている文字列を宛てにしても
現在ではインクジェットで印字される方法が多くなり
中の線材の方向性が、内部導体の圧延方向を同じ向きで印刷される保証は
無いため、ロット毎に方向性が逆転して印字されてしまう可能性も有り得ます。
ですので、製品を一度聴いてみて
方向性を判断し、その向きに合わせて(特に左右を同じように)
製作するのが、最も理に適った方法だと考えています。
弊社では製品に▲印で接続方向指示を示していますが
これはあくまで推奨(お薦め)の方向であり、逆接続を否定する物ではありません。むしろ場合によっては逆接続の方が良好な結果が得られる可能性も十分にあると思います。

RCAケーブルやmini-miniケーブルと言った、両端が同じ端子を採用しているケーブルをお使いの方は、是非一度逆接続をお試し下さい。
次回は実際の製造工程で、弊社では方向性をどの様に管理しているかについてお話したいと思います。
話題にも良く上るこの「ケーブルの方向性」についてですが、
改めて説明したことが無かったと思いますので
この点について、私の見解を述べてみようと思います。
ケーブルの方向性で音が変わるという経験は
日常茶飯事的に感じています。
ケーブルの方向性で音が変わるはずが無い。と言うご意見や
周波数特性を方向でそれぞれに測定しても、明確な差異は測定に表れないので、その微少な差を人間が聞き取れるはずが無い。
等の意見も良く耳にします。
私の考えではケーブルの方向性と導体の方向性には一貫性は無いだろうと思っています。撚り線に用いられる導体一本一本には、確かに圧延する方向が存在しますが、それ等を圧延して細く引き延ばす行程を経て
撚り合わせる際、リールから銅線が圧延方向と同じ向きに管理(セット)
される保証はまず無いだろう、と言うのがその理由です。
単線であれば、この撚り線の様な撚り合わせによる方向性の差異は
起こらないと思いますが、線材の方向性は同様に存在します。
ケーブルのシースに印字されている文字列を宛てにしても
現在ではインクジェットで印字される方法が多くなり
中の線材の方向性が、内部導体の圧延方向を同じ向きで印刷される保証は
無いため、ロット毎に方向性が逆転して印字されてしまう可能性も有り得ます。
ですので、製品を一度聴いてみて
方向性を判断し、その向きに合わせて(特に左右を同じように)
製作するのが、最も理に適った方法だと考えています。
弊社では製品に▲印で接続方向指示を示していますが
これはあくまで推奨(お薦め)の方向であり、逆接続を否定する物ではありません。むしろ場合によっては逆接続の方が良好な結果が得られる可能性も十分にあると思います。
RCAケーブルやmini-miniケーブルと言った、両端が同じ端子を採用しているケーブルをお使いの方は、是非一度逆接続をお試し下さい。
次回は実際の製造工程で、弊社では方向性をどの様に管理しているかについてお話したいと思います。
2016年4月8日金曜日
震動とケーブルとの因果な関係(その2)
前回は震動とケーブルの関係についてでしたが
今回は続きとして、コイル化の話をしようと思います。
ケーブルが実際に使用する長さよりも長くなった場合、その取り回しに苦慮する
事が多々あるのでは無いかと思います。
その際に、ケーブルを輪状にして束ねない方が良い。等の話を
聞いた事がありませんでしょうか。
これはケーブルのコイル化を防ぐ為の物に他なりません。
コイルという部品は、絶縁された銅をリング状にして幾層にも重ねた物になります。
ケーブルもとぐろを巻いてしまうと、同じような働きを持つ事になってしまいます。
またコイルは、電流を流すと自ら震動を起こします。
ノイズカットトランスやパワーアンプのトランスが、唸ったり震動したりし
頭を悩ませている方もいらっしゃると思います。
この点からもケーブルを輪にしてループを作るのは避けた方が無難です。
特に磁性金属とケーブルのループが組み合わさると
コイル成分(インダクタンス)が強く出てきますので
特に注意が必要です。
例えば鉄筋建物の床や壁面に、ループ状に束ねたケーブルを置いてしまったりと
予想外の影響を受けてしまう事が起こりえます。
割と日常的にやってしまいがちなケースが考えられます。
余談ですが、光ケーブルに関しては長さが余ったら
逆にループを形成した方が、音質面で有利になる事があります。
これはケーブル内での反射が末端で時間差を生じる光ケーブルならではの現象で
ループを形成する事で、反射の時間差が減り、結果的に
伝送エラーが減少する事が知られています。
ただこんなにケーブルが輪になっていると、正直邪魔ですよね…。
この様にケーブルの性質を少し理解しておくと、
適した使い方をする事で、音質向上を図れる事もあります。
一度、ラック背面の配線状況を見直してみるのも
よろしいのでは無いでしょうか。
2016年4月4日月曜日
震動とケーブルとの因果な関係(その1)
今回はややマニアックな話になりますが
震動とケーブル、そして音質に与える影響について
お話ししようと思います。
ケーブルの防振対策は、産業用電線の分野から
一般的な家庭用屋内配線に至るまで、ごく普通に行われています。
特に過酷な環境下では、信頼性と安全性の面から
ケーブルを厳重に保護する方法が採られています。
以前、ケーブルはコンデンサやコイル、抵抗と言った要素も持つ。
と言うお話をしましたが、外部からの加わる震動は
微弱ながらも、発電作用が起こります。
例えば他にオーディオでこの発電作用が大きな問題になるケースとしては、
スピーカーからの逆起電力があります。
スピーカーを駆動するのは電磁石によるモーターの作用ですが
それにより動いた振動板は、ダンパーによって元へ戻る力が働きます。
(車のサスペンションと似ていますが、ショックを吸収する機構がありません)
この動きが、モーターの逆、つまりスピーカー自身が発電機となり
そこで発電された電力は、そのままアンプへと戻ってしまいます。
そして駆動しようとする力と互いに影響し合い、音質を損ねてしまいます。
ケーブルに加わる震動程度では、この様な強力な発電作用はありませんが
扱う電圧や電流が微弱な箇所程、震動は音に大きな影響を与えます。
勿論、単に防振対策を徹底して行えばいいかと言うと
そこまで話は単純ではありません。
使用する箇所や環境によっても、震動が音に与える影響は様々です。
対策も度を超してしまうと、音に躍動感を感じられなくなる事もありました。
弊社では震動を効果的に吸収し、熱に変換するハイテク素材を
適材適所に用いる事で、音質とのバランスを考慮した
より効果的な対策を行っています。
次回は震動がケーブルに与える影響についての続きとして、
ケーブルが持つインダクタンス(コイルの作用)について
お話ししようかと思います。
2016年3月25日金曜日
ハンダと音との蜜月な関係
前回は端子に施されるメッキについて、お話ししましたが今回は
ケーブルと端子を繋ぐハンダについてお話しします。
オーディオ用と銘打って販売されているハンダを始め
プリント基板用や家電製品用など、様々な種類が販売されています。
現在販売されている半田は、欧州での鉛規制に従い、錫を主成分にしています。
以前は錫の他に鉛が多く含まれ、これが問題になったわけです。
例えばヴィンテージワイヤーを用いたケーブルを端子に半田付けする際は
こう言った錫と鉛を、製造されていた当時の半田を見掛けます。
確かに、当時の使用されていた環境に近づきますので
音も当時の音に近い物を再現するには、適しているのでは思います。
現在ではオーディオ用として有名になった半田が、銀入り半田です。
3~4%程度の銀を錫に加えるのですが、これにより
融点がやや高くなるので、半田作業に慣れた方で無いとやりづらく
パワーのある半田小手でないと融けづらくなっています。
では、そもそも何故銀を添加した物が出回ったかというと
細い銀線や銀コート線に半田付けをする際、馴染みを良くする為です。
各社から銀の比率を変えたり、様々銀入り半田を色々と試してみると
同じ銀入りでも各社で様々な個性があり、面白い物だと感心した記憶があります。
他には銅を1%程度混ぜた半田もあり、こちらはパンチの効いた
力強い音だったと記憶しています。
さらには金やプラチナ、他にもゲルマニウムや様々な金属を
配合したオリジナルブレンド半田もあり
使う方の好みに合わせた物を、選べるようになっています。
ですが、そんな半田も肝心の端子にしっかりと接続されていなければ
効果半減どころか、台無しになってしまいます。
末端加工に半田処理をせず、ネジ留めだけで留めてしまう
ケースを多々見掛けますが、以前のコラムでも述べましたが
銅の酸化を促進させ、ひどい場合には導通すら妨げてしまう場合もあります。
酸化を出来るだけ防ぐ為にも、導体に半田でコーティングをすると
酸化の影響を大幅に低減する事が出来ます。
○銅に半田(いわゆる錫)を混ぜる事で、音が悪くなる。
●半田で固めると、接触する箇所が減って音が悪くなる。
と言う理由で
敬遠される方もいらっしゃいます。
しかしながら、徐々に酸化が進み黒く変色した銅線は導通に悪影響が出ます。
最悪の場合には断線や不具合にも繋がります。
こうなると、音質云々以前の問題になってきます。
これを防ぐには導体の定期的に導体を剥き直す事になるのですが、
なかなか面倒で、現実的には難しいと思います。
であるならば、しっかりと半田を利用し末端処理を確実に行った方が、
結果的には音にも、性能の長期維持にも、適しているのでは無いかと考えます。
また接触に関しても、スペード端子やバナナプラグを用いても同様の問題があります。
半田処理した導体をターミナルへ直接接続しても、しっかり端子で締めてあげる事で、
確実な接続と接点を充分に得る事が出来ると思います。
弊社ではケーブルの末端処理は、長年に渡り安心してお使い戴けるよう
作業を行うよう、心掛けております。
ケーブルと端子を繋ぐハンダについてお話しします。
オーディオ用と銘打って販売されているハンダを始め
プリント基板用や家電製品用など、様々な種類が販売されています。
現在販売されている半田は、欧州での鉛規制に従い、錫を主成分にしています。
以前は錫の他に鉛が多く含まれ、これが問題になったわけです。
例えばヴィンテージワイヤーを用いたケーブルを端子に半田付けする際は
こう言った錫と鉛を、製造されていた当時の半田を見掛けます。
確かに、当時の使用されていた環境に近づきますので
音も当時の音に近い物を再現するには、適しているのでは思います。
現在ではオーディオ用として有名になった半田が、銀入り半田です。
3~4%程度の銀を錫に加えるのですが、これにより
融点がやや高くなるので、半田作業に慣れた方で無いとやりづらく
パワーのある半田小手でないと融けづらくなっています。
では、そもそも何故銀を添加した物が出回ったかというと
細い銀線や銀コート線に半田付けをする際、馴染みを良くする為です。
各社から銀の比率を変えたり、様々銀入り半田を色々と試してみると
同じ銀入りでも各社で様々な個性があり、面白い物だと感心した記憶があります。
他には銅を1%程度混ぜた半田もあり、こちらはパンチの効いた
力強い音だったと記憶しています。
さらには金やプラチナ、他にもゲルマニウムや様々な金属を
配合したオリジナルブレンド半田もあり
使う方の好みに合わせた物を、選べるようになっています。
ですが、そんな半田も肝心の端子にしっかりと接続されていなければ
効果半減どころか、台無しになってしまいます。
末端加工に半田処理をせず、ネジ留めだけで留めてしまう
ケースを多々見掛けますが、以前のコラムでも述べましたが
銅の酸化を促進させ、ひどい場合には導通すら妨げてしまう場合もあります。
酸化を出来るだけ防ぐ為にも、導体に半田でコーティングをすると
酸化の影響を大幅に低減する事が出来ます。
○銅に半田(いわゆる錫)を混ぜる事で、音が悪くなる。
●半田で固めると、接触する箇所が減って音が悪くなる。
と言う理由で
敬遠される方もいらっしゃいます。
しかしながら、徐々に酸化が進み黒く変色した銅線は導通に悪影響が出ます。
最悪の場合には断線や不具合にも繋がります。
こうなると、音質云々以前の問題になってきます。
これを防ぐには導体の定期的に導体を剥き直す事になるのですが、
なかなか面倒で、現実的には難しいと思います。
であるならば、しっかりと半田を利用し末端処理を確実に行った方が、
結果的には音にも、性能の長期維持にも、適しているのでは無いかと考えます。
また接触に関しても、スペード端子やバナナプラグを用いても同様の問題があります。
半田処理した導体をターミナルへ直接接続しても、しっかり端子で締めてあげる事で、
確実な接続と接点を充分に得る事が出来ると思います。
弊社ではケーブルの末端処理は、長年に渡り安心してお使い戴けるよう
作業を行うよう、心掛けております。
2016年3月23日水曜日
ケーブルのメッキとその性質ついて
今回は、端末に用いられるメッキ加工について
お話ししようと思います。
まずは一般に最も普及している金メッキについてです。
端子素材の多くは銅合金(銅と亜鉛の合金)で、銅の比率が高い物です。
銅の比率をより高くし導電率を高め、高品位を謳う端子が増えて来ています。
しかしながら銅が主成分ですので、銅の成分が多ければ多い程
酸化が進みやすく、特に端子表面に酸化膜を成形し、
肝心の導通を阻害してしまいます。
そこで酸化等の経年変化に強い、金を表面にコーティングさせる訳です。
金は銅や銀に迫る導電率の高さを誇ります。
しかしながら、硬度があまり無いので端子等の着脱を頻繁に行うと
どうしても他の端子との摩擦で塗膜が薄くなってきます。
また、長年湿度の高いところへ放置しておくと、やはり酸化膜が
金メッキの上にも形成されてしまいます。
それを除去する為に、端子を研磨剤で磨くと
金メッキ自体を著しく痛めてしまいます。
そこで登場したのが、白金系の希少金属であるロジウムメッキです。
ロジウムの導電率は、金よりやや劣りますが
金よりも強い硬度を持っています。
この為に着脱の多い箇所に用いるには、適した素材と言えます。
最近では金メッキの上位仕上げとして、定着して来た印象があります。
欠点はコストで、金メッキ以上に掛かってしまいます。
他にも、白金系の仲間であるパラジウムメッキや
プラチナメッキを採用している端子も見掛けます。
私の個人的なメッキ差による音質の印象はおおよそ、以下の通りです。
1.金メッキ
・柔らかくマイルド。優しい音調でピラミッドバランス。
破綻が少ないので、リファレンスプラグに採用例が多いのも納得。
2.ロジウムメッキ
・音に張りと艶がのり、情報量が多く再現性に優れている印象。
輪郭がはっきりするので高解像度系に向いている印象。
3.パラジウムメッキ
・厚手の音で、重厚な印象。濃い音像が出てくるので躍動感を重視する人に
向いている印象。
4.プラチナメッキ
・華やか。色艶が出て全体的に音が楽しくなる印象。
全体的な印象は金メッキに近く、しっかりしたバランスを持つ。
5.銀メッキ
・最初の内は高い鮮度感を持ち、クッキリとさせる印象。
時間経過と共に落ち着いてくるが、その速度が他のメッキ加工よりも
ずっと早い印象がある。
弊社では、お客様の希望に合わせた端子変更も承っております。
納品後の端子交換や変更にも対応致しますので、お気軽にご相談下さい。
お話ししようと思います。
まずは一般に最も普及している金メッキについてです。
端子素材の多くは銅合金(銅と亜鉛の合金)で、銅の比率が高い物です。
銅の比率をより高くし導電率を高め、高品位を謳う端子が増えて来ています。
しかしながら銅が主成分ですので、銅の成分が多ければ多い程
酸化が進みやすく、特に端子表面に酸化膜を成形し、
肝心の導通を阻害してしまいます。
そこで酸化等の経年変化に強い、金を表面にコーティングさせる訳です。
金は銅や銀に迫る導電率の高さを誇ります。
しかしながら、硬度があまり無いので端子等の着脱を頻繁に行うと
どうしても他の端子との摩擦で塗膜が薄くなってきます。
また、長年湿度の高いところへ放置しておくと、やはり酸化膜が
金メッキの上にも形成されてしまいます。
それを除去する為に、端子を研磨剤で磨くと
金メッキ自体を著しく痛めてしまいます。
そこで登場したのが、白金系の希少金属であるロジウムメッキです。
ロジウムの導電率は、金よりやや劣りますが
金よりも強い硬度を持っています。
この為に着脱の多い箇所に用いるには、適した素材と言えます。
最近では金メッキの上位仕上げとして、定着して来た印象があります。
欠点はコストで、金メッキ以上に掛かってしまいます。
他にも、白金系の仲間であるパラジウムメッキや
プラチナメッキを採用している端子も見掛けます。
私の個人的なメッキ差による音質の印象はおおよそ、以下の通りです。
1.金メッキ
・柔らかくマイルド。優しい音調でピラミッドバランス。
破綻が少ないので、リファレンスプラグに採用例が多いのも納得。
2.ロジウムメッキ
・音に張りと艶がのり、情報量が多く再現性に優れている印象。
輪郭がはっきりするので高解像度系に向いている印象。
3.パラジウムメッキ
・厚手の音で、重厚な印象。濃い音像が出てくるので躍動感を重視する人に
向いている印象。
4.プラチナメッキ
・華やか。色艶が出て全体的に音が楽しくなる印象。
全体的な印象は金メッキに近く、しっかりしたバランスを持つ。
5.銀メッキ
・最初の内は高い鮮度感を持ち、クッキリとさせる印象。
時間経過と共に落ち着いてくるが、その速度が他のメッキ加工よりも
ずっと早い印象がある。
弊社では、お客様の希望に合わせた端子変更も承っております。
納品後の端子交換や変更にも対応致しますので、お気軽にご相談下さい。
2016年3月18日金曜日
ケーブルの特性インピーダンスについて
前回は同軸ケーブルとその種類についてお話しました。
今回は知っているようで意外と知られていない、
ケーブルのインピーダンスについて
お話ししようと思います。
インピーダンスは、抵抗値で表されます。
単位はΩ(オーム)ですから、混同して考えやすいのですが
ケーブルで表されるインピーダンスと
抵抗のインピーダンスは意味合いが少し異なります。
では抵抗そのもの(純抵抗)とケーブルのインピーダンスとでは
何が違うのか、と言うと
○純抵抗のインピーダンスは周波数に関係なく一定である
※例えば、1kHzと100kHzでの抵抗値は同じである。
○ケーブルのインピーダンスは周波数で変動し
高周波(おおよそ100kHz以上)で安定する。
※下図の様に特定の高い周波数から、特性インピーダンスは一定になる
この点が大きく異なります。
つまりケーブルのインピーダンス(区別して特定インピーダンス)は
流れる周波数帯域によってその特性が変化する、と言うことです。
オーディオで使用されるアナログ信号を伝送する帯域では
せいぜい0~100kHzと言うところです。
特性インピーダンスが75Ωの物を使用しても50Ωの物を使用しても
実際はそれよりかなり高いインピーダンスとなるので
伝送上の問題になる事がほぼありません。
ところが、高い周波数を伝送するのでは話が変わってきます。
CDプレーヤーからのデジタル出力を例に挙げると
サンプリング周波数は44.1kHzですが
実際にその同期に必要とされ、伝送される周波数は
その128倍 (1つのサンプルに必要な 64bitとステレオ2ch分) で
5.6448MHzとなります。
これが何倍かにアップサンプリングされたり、ハイレゾで扱う周波数となると
更に高い周波数となり、192kHz伝送時には
24.576MHzとなり、今後更に周波数が高くなるケースも有り得ます。
これだけの周波数になると、ケーブルの特性インピーダンスや
接続部分でインピーダンスの整合(マッチング)が
正しく取れていないと、信号の反射や接続部分での輻射
(反射が送った信号と折り重なり、更に強い反射となる)ノイズが出て
伝送に支障が出る恐れが高くなります。
ここまで来てしまうと、音の善し悪し以前の問題になってしまいますので
●高い周波数信号伝送には、規格に沿ったケーブルを使う
事が重要である理由が分かります。
ちょっと難解かも知れませんが、ハイレゾ時代になった現在
デジタルで運ばれる信号にはこう言う問題もある。
と言う認識を持って戴ければ幸いです。
2016年3月17日木曜日
同軸ケーブルについて(その2)
前回は同軸ケーブルの簡単な構造についてお話しました。
今回は身の周りに存在している同軸ケーブルの種類についてお話しします。
まず、最も身近で使われる同軸ケーブルに、TV用のアンテナ線が
それに相当するとお話ししましたが、その区別する方法として
専ら、インピーダンスと言う値で示されています。
TVアンテナ線は「インピーダンス75Ω」と言う規格で表されます。
これは規格で定められており
「75Ωで設計された同軸ケーブルを用いること」
として周知されています。
他にも75Ωの同軸ケーブルを使用することを
定められたケーブルで比較的身近な物は
○アナログ映像用 コンポジットケーブル
(RCAプラグに黄色の目印が付けられた映像用ケーブル)
○S/PDIF用 COAXIALケーブル
(CDプレーヤーから出力されるデジタル用ケーブル)
○Word Clock用 BNCケーブル
(D/Aコンバーター等他の機器と同期する為のBNC端子搭載ケーブル)
が挙げられます。
それとは別に、同じ同軸ケーブルでも
もう一種類、違うインピーダンス規格を持つケーブルが存在しています。
それは50Ω同軸ケーブルです。
この50Ω線が主に使われるのは
○アマチュア無線用 アンテナケーブル
(アンテナ端子形状に応じて、様々な50Ω専用端子を取付)
○GPSアンテナ用ケーブル
○10MHz用 BNCケーブル
(原子時計やGPSからオーディオ機器へ同期接続する為のケーブル)
少し厄介なのは、この75Ωと50Ω同軸ケーブルは
ぱっと見、殆ど区別が付きません。
簡単な見分け方として、ケーブルの外装に
この様に記載されています。
見分け方を簡単に言うと「5D-FB」とある型番表記の
2つ目のアルファベットが
「C」なら75Ω、「D」なら50Ωです。
XLRの極性と同じように
その誕生の経緯から、主に2種類の同軸ケーブルが市場に混在しています。
アナログケーブルとは違い、用途は規格で定められていますので
これに適合したケーブルを用いた方が、
伝送特性を設計上想定された範囲内で、使用することが出来ます。
これらのケーブルは高周波(主にMHz以上の帯域)で用いられます。
何故高周波か?低い周波数ではどうなの?
と言う疑問については、また改めてお話したいと思います。
今回は身の周りに存在している同軸ケーブルの種類についてお話しします。
まず、最も身近で使われる同軸ケーブルに、TV用のアンテナ線が
それに相当するとお話ししましたが、その区別する方法として
専ら、インピーダンスと言う値で示されています。
TVアンテナ線は「インピーダンス75Ω」と言う規格で表されます。
これは規格で定められており
「75Ωで設計された同軸ケーブルを用いること」
として周知されています。
他にも75Ωの同軸ケーブルを使用することを
定められたケーブルで比較的身近な物は
○アナログ映像用 コンポジットケーブル
(RCAプラグに黄色の目印が付けられた映像用ケーブル)
○S/PDIF用 COAXIALケーブル
(CDプレーヤーから出力されるデジタル用ケーブル)
○Word Clock用 BNCケーブル
(D/Aコンバーター等他の機器と同期する為のBNC端子搭載ケーブル)
が挙げられます。
それとは別に、同じ同軸ケーブルでも
もう一種類、違うインピーダンス規格を持つケーブルが存在しています。
それは50Ω同軸ケーブルです。
この50Ω線が主に使われるのは
○アマチュア無線用 アンテナケーブル
(アンテナ端子形状に応じて、様々な50Ω専用端子を取付)
○GPSアンテナ用ケーブル
○10MHz用 BNCケーブル
(原子時計やGPSからオーディオ機器へ同期接続する為のケーブル)
少し厄介なのは、この75Ωと50Ω同軸ケーブルは
ぱっと見、殆ど区別が付きません。
簡単な見分け方として、ケーブルの外装に
![]() |
| 50Ω用5D-FB |
![]() |
| 75Ω用 5C-2V |
この様に記載されています。
見分け方を簡単に言うと「5D-FB」とある型番表記の
2つ目のアルファベットが
「C」なら75Ω、「D」なら50Ωです。
XLRの極性と同じように
その誕生の経緯から、主に2種類の同軸ケーブルが市場に混在しています。
アナログケーブルとは違い、用途は規格で定められていますので
これに適合したケーブルを用いた方が、
伝送特性を設計上想定された範囲内で、使用することが出来ます。
これらのケーブルは高周波(主にMHz以上の帯域)で用いられます。
何故高周波か?低い周波数ではどうなの?
と言う疑問については、また改めてお話したいと思います。
2016年3月15日火曜日
同軸ケーブルについて(その1)
前回までは、主に絶縁体の種類と性質についてお話ししてきました。
それを踏まえた上で、今回は生活空間にも多く使われている
同軸ケーブルについてお話しします。
その誕生は古く、前世紀にまでさかのぼります。
基本的な構造は、中央に信号導体を配置し、その周囲に
参考画像:IPA(情報処理推進機構) http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
ご覧の通り、円形に綺麗に配置されていますので
ケーブルの理想と言われている、何処で切断しても同じ断面をしている
いわゆる「金太郎飴」に近い構造をしています。
1960年代にポリエチレン絶縁体が発明されるまでは
中心導体は中空な構造をしており、外部導体には銅管パイプを
用いていました。
近年はポリエチレン絶縁体に気泡を含ませ、静電容量をより低減した
発泡ポリエチレンや、更に気泡を細かくした高発泡ポリエチレンを
用い、より高周波向けに造られた物があります。
この同軸ケーブルは、高い生産性とその特性を活かし
私たちの生活に溶け込んだ物となっています。
最も身近な用途では、TVアンテナ線に用いられています。
ケーブルTVやBS/CSデジタルの普及に伴い、高性能な同軸ケーブルを
用いるケースが増えてきました。
またオーディオ用途でもCDプレーヤーやトランスポートからの
COAXIAL(=同軸の意)ケーブルやクロックケーブル(Word Clock)に
同軸ケーブルは使用されています。
以前にはLANケーブル登場前、10Mbase伝送用途に
BNC端子を付けた同軸ケーブルを用いていました。
こうした、様々な用途に用いられている反面
実はその用途に応じた使い方が求められるのですが
ここ最近、混同されて使用されるケースを幾つか目にします。
次回は、この用途と種類、そして同軸ケーブルのインピーダンスについて
お話ししたいと思います。
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