オーディオ機器間には様々な伝送方法が存在します。
その中でも最もポピュラーな方法として、アナログ接続におけるRCA端子による接続があります。
もう一つはプロ用接続とも言われるバランス接続で、XLR端子接続、
またはキャノン(CANNON)端子接続とも呼ばれています。
昨今、レコード機器に於いても、このバランス接続伝送が再び注目を集めています。
カートリッジから微細な信号が、MMでおよそ100倍、MCでは何と1000~1500倍程度にまで
増幅されるので、ラインケーブルに比べても、特に音質に大きな影響を及ぼします。
このアナログバランス接続は、1992年にAESと言う規格制定する機関において
一応、2番ピンをHOTに統一が計られました。
しかしながら実際は、従来販売してきた機器との関係から依然として
3番ピンをHOTとする機材も販売し続けられており、メーカー間で極性の互換性が
実際は取られていないのが実情です。
ピンの極性は
1番=GND(G,グラウンド)
2番=positive(+,ホット)
3番=negative(-,コールド)
の欧州方式と
1番=GND(G,グラウンド)
2番=negative(-,コールド)
3番=positive(+,ホット)
の米国方式が共存しています。
デジタルでのバランス伝送では、アナログ伝送の教訓から
欧州式(EBU)と米国式(AES)が規格統一を行い、AES/EBUと言う名称で
欧州方式を採用し、現在に至っています。
例えば2番HOTを採用しているメーカーを私が知り限りならべてみると
AUDIO
DESIGN
Authentic(NEC)
AVALON
DESIGN
AYRE
Boulder
C.E.C
CLASSE
CH
Precision
CHORD
CELLO
dCS
ESOTERIC
EXCLUSIVE(M5a)
KRELL
GOLDMUND
Jeff
Rowland
(※2003秋モデル(cf.CONCERTO
PRE)から~)
STUDER
TAD
MARK
LEVINSON
McINTOSH
MERIDIAN
PRIMER
YAMAHA
REVOX
WADIA
PASS LAB
QUAD
があります。
ちなみに3=HOTは
ATC
Accuphase
BOULDER
BURMESTER
EAD
FM
ACOUSTICS
LUXMAN
JBL
ONKYO(2010年以降は2番HOTへ変更)
SANSUI
JEFF
ROWLAND(2003年夏以前 cf.SYNERGY等)
SONY(業務用機は2番HOT)
TECHNICS(2014年復活後の製品は2番HOT)
DENON(2000年代後半から2番HOTへ)
Nakamichi
PIONEER(Pioneerロゴ製品,TADは2番HOT)
Victor
Philips
marantz(業務用機・AVプリアンプは2番HOT)
Micromega
…と、かなり混沌としています(笑)
一度、お手持ちの機器を確認してみた方が良いかも知れません。
勿論、極性反転で接続をしても機材故障に繋がったりすることはありません。
絶対位相を合わせたいのであれば、スピーカー出力端子を逆に接続すれば合わせられます。
個人的には極性を合わせて接続した方が、精神衛生上も安心するのが
オーディオマニアの悲しい性かも知れません。
ちなみに弊社では極性反転ケーブルもオプションで受け付けており
納品後の変更も承りますので、お気軽にお問い合わせ下さい。