2016年6月9日木曜日

ポータブル機器とリケーブルとの出会い(その5)

メモリ媒体を利用した日本の携帯プレーヤー市場に、大きな変革をもたらした機器が
海外からやってくる事となりました。皆さんご存じ、iPodの登場です。

初代のHDD搭載モデルは、現在でも一部マニアには人気博しているモデルですが
私が最初に購入したのは第2世代のiPod nanoの8GBモデルです。
サイズが丁度良く、waveファイルの再生に対応していたのが理由でした。

現在のプレーヤーのように24bitや96kHz、DSDと言ったハイレゾファイルには
対応していませんでしたが、16bit,44.1kHzにさえ対応してくれれば
私にとっては十分と言えました。

音質は無難なまとめ方で、破綻が少なく伸びも穏やかな感じで
ジャンルを選ばずに気軽に聴ける所が特徴だったと思います。

iPod Dock端子からLINE出力を取り出すことも出来、この音質も
ヘッドフォン出力同様、至って無難なものでした。
もう少し伸びや明晰さが出て欲しかった所ですが
そこは非圧縮音源を何処でも手軽に持ち歩けた事との
トレードオフだったと思います。

胸や内ポケットに入れて聴くことが多かった私にとっては
特に中国製DAPに比べ、重さが軽く操作性も軽快だった事は好印象でした。

しかも電池の持ちが良く、一日持ち歩いても充分に使用可能で
省電力性能が高い物だと、とても感心した記憶があります。

その後SONYからファイル転送に特定のソフトを必要としなくなった
NW-A840シリーズが登場するまで、その後購入した第四世代nanoと共に
出先でのお供にiPod nanoは活用しました。

このiPodの普及と共に、大きな影響を受けたのが
コピーガードやDRMコンテンツだったと思います。

iTuneの縛りこそありましたが、CDソースを中心とした音楽ファイルを
ほぼ自由に出し入れする事が出来たこの製品の登場は
保守的な日本の音楽市場において、いわば黒船になったのでは無いかと思います。

現在、ハイレゾダウンロードソースの殆どがDRMフリーになったのは
このiPodの大成功があったからかも知れません。