今から20年以上前の話になりますが、当時の私は
録音・再生や編集を行うPC製作する仕事をしていました。
当時はPCで、bit数や周波数に縛られずに録音を自在に行い、
編集もこなせる機器の選択肢がほとんど無かった為でした。
当時はPCバブルが弾け、徐々に店を畳む所が出てき始めた頃で
各PC店は専門化を推し進める事で生き残りを賭けていました。
そんな頃、メーカー製PCでは満足のいく音質条件を満たす物が得られない、
安定して動作しない、出音に不満がある等の相談を戴く事が増え始めました。
そこで元々、PCでの再生音に興味があった私は
録音や編集と言った専門特化型のPCを製作するようになりました。
ご相談戴いた方は様々で、個人経営の英会話教室での録音用途から
某大手電機メーカーにお勤めの、盲目の方専用のPCや
某大手放送局の録音番組の編集PCまで、様々な用途のご相談を戴きました。
その上で、専用にカスタマイズしたPCを納品していました。
内部パーツにも出来るだけメーカー付属ケーブルは使わず、
性能と音質面で実績のあった物を選別して使用していました。
当時はまだまだ16bitOSのWindows95/98が主流の時代でしたが
音楽編集用途のPCは連続稼働時間が長い事もあり、32bitOSであった
WindowsNT4.0 を主に採用していました。
このOSは大変気難しく、一度でもトラブルを起こすと
OSサインストールを余儀なくされるレベルのものでした。
デモンストレーション会場でトラブルが起こり立ち上がらなくなり
担当者が泣きそうになっていたのを覚えています。
その後、Windows2000が登場し一世を風靡しましたが
このWindows2000が、サウンドカード各社に32birtOSへの対応を迫る事となり
対応出来無かったメーカーは、消えていったように思います。
安定して動作しているかに加え、肝心の音質面はどうなのか
と言うちょっとややこしい課題がありましたが、独自にチェック方法を編み出し
数多くのPCを組み上げてきました。
その後紆余曲折を経て、仕事としてスピーカー製造に着手する事になるのですが
それはまた別のお話です。機会があったらお話ししたいと思います。
次回は当時の音楽用PCと現在のPCとの違いについて述べようかと思います。
2016年7月12日火曜日
2016年7月8日金曜日
PCオーディオとの関係性 その1
弊社から高品位DCケーブルやS-ATAケーブル等の新製品を発売しました。
マニア度が強いアイテムなのであまり反響は無いだろうな、と思っていたのですが
思いの外、反応があり意外な心境でした。
最近はPCでオーディオを意識して再生する方も少なくなってきたと感じます。
理由としては、ハイレゾソースを中心として再生環境が
PCを介さずに、利用出来る物が増えてきたからだと思います。
しかしながら、DSDソースを利用する上では
どうしてもPC無しでは支障が出る場合が多く
今後登場してくるであろう新しいフォーマットへの対応には
PCを利用することが、逆に増えてくるだろうと考えています。
実の所この様なPC用ケーブルは20年程前にパラレル転送(IDE接続)が全盛だった頃から
個人的に研究を重ね、製作をしてきました。
その様な事(ケーブル自作)を始めたきっかけになったのは
マザーボードや拡張PCIカードに付属しているケーブルを使用すると
動作に支障が出たり、正しい転送速度で認識されなかったりと、ケーブルが原因で起こる
トラブルが多発したケースがあった事でした。
20年前当時は、巷(特に秋葉原PC街界隈)では、恐らく付属品から外したであろう出自の怪しい
ジャンクケーブルが市場に溢れ、粗悪な物が安価に大量に出回っていました。
そこで動作を保証を謳ったPC用ケーブルを購入したところ
驚く程に安定して動作したところから、PCの内部ケーブルにも興味が出るきっかけとなりました。
当時のPC内部ケーブルはフラットタイプが主流で、パラレル伝送が主流の時代でした。
パラレルケーブルは等長(各ケーブル長が同じ)である必要があり、
規格上、距離が長くなると途端に安定して伝送が出来ない仕様でした。
当時はコネクタもケーブルも、ほとんど選択肢が無かったこともあり
あまり抜本的な対策は取れませんでした。
それでも改良前とでは、かなりの変化量だったと記憶しています。
長くても30cm程度の長さしか無いPC用ケーブルでしたが
品質一つでここまで結果が変わるのか、と驚いた記憶があります。
次回はこの続きで、私とPCの歴史の関係性を振り返ってみたいと思います。
マニア度が強いアイテムなのであまり反響は無いだろうな、と思っていたのですが
思いの外、反応があり意外な心境でした。
最近はPCでオーディオを意識して再生する方も少なくなってきたと感じます。
理由としては、ハイレゾソースを中心として再生環境が
PCを介さずに、利用出来る物が増えてきたからだと思います。
しかしながら、DSDソースを利用する上では
どうしてもPC無しでは支障が出る場合が多く
今後登場してくるであろう新しいフォーマットへの対応には
PCを利用することが、逆に増えてくるだろうと考えています。
実の所この様なPC用ケーブルは20年程前にパラレル転送(IDE接続)が全盛だった頃から
個人的に研究を重ね、製作をしてきました。
その様な事(ケーブル自作)を始めたきっかけになったのは
マザーボードや拡張PCIカードに付属しているケーブルを使用すると
動作に支障が出たり、正しい転送速度で認識されなかったりと、ケーブルが原因で起こる
トラブルが多発したケースがあった事でした。
20年前当時は、巷(特に秋葉原PC街界隈)では、恐らく付属品から外したであろう出自の怪しい
ジャンクケーブルが市場に溢れ、粗悪な物が安価に大量に出回っていました。
そこで動作を保証を謳ったPC用ケーブルを購入したところ
驚く程に安定して動作したところから、PCの内部ケーブルにも興味が出るきっかけとなりました。
当時のPC内部ケーブルはフラットタイプが主流で、パラレル伝送が主流の時代でした。
パラレルケーブルは等長(各ケーブル長が同じ)である必要があり、
規格上、距離が長くなると途端に安定して伝送が出来ない仕様でした。
当時はコネクタもケーブルも、ほとんど選択肢が無かったこともあり
あまり抜本的な対策は取れませんでした。
それでも改良前とでは、かなりの変化量だったと記憶しています。
長くても30cm程度の長さしか無いPC用ケーブルでしたが
品質一つでここまで結果が変わるのか、と驚いた記憶があります。
次回はこの続きで、私とPCの歴史の関係性を振り返ってみたいと思います。
2016年7月5日火曜日
ケーブルの方向性について その2
さて前回に引き続き、ケーブルの方向性についてです。
今回は、弊社でケーブルを製作する際、実際にどの様な管理方法を行っているかお話ししたいと思います。
弊社のケーブルは、解説にもありますが、多くの素材を複数使用して
ケーブル周囲に何層にもなる複雑な構造をしています。
これらの素材にも、表裏が存在する物もあります。
制作時にはその素材の表裏、例えば繊維の場合、
繊維に合わせた巻き方をしています。
繊維の目に逆らわず、その目に従った方向に合わせて切り出してから
ケーブルに巻いていくことで、素材自体を高いテンションを掛けながら
巻くことが可能になります。
個体差を出来うる限り少なくし、安定した性能を発揮出来る様、
製造を行っています。
ケーブルは曲げを行う物ですので、硬い素材は柔軟性を損ないます。
柔らかさを出来る限り保つ為、巻き方にも留意しています。
ツイストや捻りの向きに関しても、曲げを阻害しない
編み方や撚り方を採用しています。
この様に、特殊素材の方向性や向きも
製造時に一貫性を持たせる工夫を凝らすことで
製品の開発にも役立てています。
弊社のケーブルは手作業での製造を基本としています。
その理由の一つは、こう言った様々な素材やその利用方法に至るまで
工夫とアイデアを活かし、製品に活かす為でもあります。
音質面でのバランスを取るには、導体だけではなく
その絶縁材や取り回し、追加素材の向きや表裏、掛かるテンションに至るまで、効果の度合いは違えども、様々な要因が全てが影響してきます。
バランスを取りつつ、出来る限り使いやすいケーブルを開発するべく
日々研究して行きたいと考えています。
今回は、弊社でケーブルを製作する際、実際にどの様な管理方法を行っているかお話ししたいと思います。
弊社のケーブルは、解説にもありますが、多くの素材を複数使用して
ケーブル周囲に何層にもなる複雑な構造をしています。
これらの素材にも、表裏が存在する物もあります。
制作時にはその素材の表裏、例えば繊維の場合、
繊維に合わせた巻き方をしています。
繊維の目に逆らわず、その目に従った方向に合わせて切り出してから
ケーブルに巻いていくことで、素材自体を高いテンションを掛けながら
巻くことが可能になります。
個体差を出来うる限り少なくし、安定した性能を発揮出来る様、
製造を行っています。
ケーブルは曲げを行う物ですので、硬い素材は柔軟性を損ないます。
柔らかさを出来る限り保つ為、巻き方にも留意しています。
ツイストや捻りの向きに関しても、曲げを阻害しない
編み方や撚り方を採用しています。
この様に、特殊素材の方向性や向きも
製造時に一貫性を持たせる工夫を凝らすことで
製品の開発にも役立てています。
弊社のケーブルは手作業での製造を基本としています。
その理由の一つは、こう言った様々な素材やその利用方法に至るまで
工夫とアイデアを活かし、製品に活かす為でもあります。
音質面でのバランスを取るには、導体だけではなく
その絶縁材や取り回し、追加素材の向きや表裏、掛かるテンションに至るまで、効果の度合いは違えども、様々な要因が全てが影響してきます。
バランスを取りつつ、出来る限り使いやすいケーブルを開発するべく
日々研究して行きたいと考えています。
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