2016年4月8日金曜日

震動とケーブルとの因果な関係(その2)

前回は震動とケーブルの関係についてでしたが
今回は続きとして、コイル化の話をしようと思います。

ケーブルが実際に使用する長さよりも長くなった場合、その取り回しに苦慮する
事が多々あるのでは無いかと思います。
その際に、ケーブルを輪状にして束ねない方が良い。等の話を
聞いた事がありませんでしょうか。

これはケーブルのコイル化を防ぐ為の物に他なりません。
コイルという部品は、絶縁された銅をリング状にして幾層にも重ねた物になります。
ケーブルもとぐろを巻いてしまうと、同じような働きを持つ事になってしまいます。

またコイルは、電流を流すと自ら震動を起こします。
ノイズカットトランスやパワーアンプのトランスが、唸ったり震動したりし
頭を悩ませている方もいらっしゃると思います。

この点からもケーブルを輪にしてループを作るのは避けた方が無難です。

特に磁性金属とケーブルのループが組み合わさると
コイル成分(インダクタンス)が強く出てきますので
特に注意が必要です。

例えば鉄筋建物の床や壁面に、ループ状に束ねたケーブルを置いてしまったりと
予想外の影響を受けてしまう事が起こりえます。

割と日常的にやってしまいがちなケースが考えられます。


余談ですが、光ケーブルに関しては長さが余ったら
逆にループを形成した方が、音質面で有利になる事があります。
これはケーブル内での反射が末端で時間差を生じる光ケーブルならではの現象で
ループを形成する事で、反射の時間差が減り、結果的に
伝送エラーが減少する事が知られています。

ただこんなにケーブルが輪になっていると、正直邪魔ですよね…。


この様にケーブルの性質を少し理解しておくと、
適した使い方をする事で、音質向上を図れる事もあります。

一度、ラック背面の配線状況を見直してみるのも
よろしいのでは無いでしょうか。