2016年4月15日金曜日

電源筐体とDCケーブルとの関係(その3)

前回まではDCケーブルの配線についてお話ししてきました。
今回は実際のDCケーブルと機器の設置方法について、お話ししようかと思います。

電源部と本体が分かれている機器は、その設置方法によっても音に影響が出ます。
例えば別筐体モデルを設置するには幾つ可能方法があります。


1.電源部と本体を重ねる、いわゆるスタック置きする方法

2.ラックの段を分けて、上下段に分けて配置

3.複数棚板がある場合は横置きに並べて配置

4.ラックの最下段か近くの床へ設置

5.互いの機材を後ろ合わせにして床に設置


1番のスタック置きは、製品写真で良く見掛ける方法で
DCケーブル類もかなり短く接続出来ますので、一見良さそうに見えますが
音質を考慮するならば、実際の使用で最も避けたい設置方法だと思います。

2番は多くの方が採用しているのでは無いかと思います。
比較的ケーブルも短くて済み、機材の下に何らかのボード類を挟む事で
震動面だけでなく、ノイズ面の影響からも
効果が期待出来るからです。

3番も震動の面からはラックを物理的に分ける事が出来ますので
環境が許すのであれば、お薦めの方法の一つです。
しかしながら縦に分けるよりもケーブル長が長く必要になる事が多く
場合によっては接続出来ない可能性が出てきます。

4番も良さそうに見栄ますが、案外床面は機材の水平を取りづらい事と
仮に鉄筋住宅の場合、床材の鉄骨と極めて接近する事になりますので
磁界の影響を受ける可能性が高くなります。
特にアンプの電源部は、磁界を発するトランスを使用しますので
特に注意が必要です。

5番は最もケーブル長を短く配置する事が出来ますが
設置スペースにかなり余裕のある方でしか出来ない方法です。
また、本体も含めて床面からの影響を磁界・震動面と、更に強く受ける事になります。

総じてお薦めは、ケーブル接続に無理の無い距離を置き
重ね置きは避け、可能であれば上下左右の別棚に配置し
床置きをするのであれば直置きではなく何らかの配慮をした方が
(例えば低い高さのラックに敢えて配置する)のが、良いのではと思います。



この様に、別筐体になる事でのメリットもある反面
設置と配置が倍、難しくなるデメリットもあります。

この点はポータブル・据え置き型に拘わらず影響を及ぼしますので
是非、現在お持ちの機材配置を見直すと、大きく音質改善に繋がる可能性があります。
お掃除も兼ねて、一度配置を見直してみるのもよろしいかと思います。