2016年3月15日火曜日

同軸ケーブルについて(その1)

前回までは、主に絶縁体の種類と性質についてお話ししてきました。
それを踏まえた上で、今回は生活空間にも多く使われている
同軸ケーブルについてお話しします。

その誕生は古く、前世紀にまでさかのぼります。
基本的な構造は、中央に信号導体を配置し、その周囲に
絶縁体と外部導体を配置して、その周囲を被覆で覆う構造をしています。
参考画像:IPA(情報処理推進機構) http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

ご覧の通り、円形に綺麗に配置されていますので
ケーブルの理想と言われている、何処で切断しても同じ断面をしている
いわゆる「金太郎飴」に近い構造をしています。

1960年代にポリエチレン絶縁体が発明されるまでは
中心導体は中空な構造をしており、外部導体には銅管パイプを
用いていました。

近年はポリエチレン絶縁体に気泡を含ませ、静電容量をより低減した
発泡ポリエチレンや、更に気泡を細かくした高発泡ポリエチレンを
用い、より高周波向けに造られた物があります。

この同軸ケーブルは、高い生産性とその特性を活かし
私たちの生活に溶け込んだ物となっています。

最も身近な用途では、TVアンテナ線に用いられています。
ケーブルTVBS/CSデジタルの普及に伴い、高性能な同軸ケーブルを
用いるケースが増えてきました。

またオーディオ用途でもCDプレーヤーやトランスポートからの
COAXIAL(=同軸の意)ケーブルやクロックケーブル(Word Clock)
同軸ケーブルは使用されています。

以前にはLANケーブル登場前、10Mbase伝送用途に
BNC端子を付けた同軸ケーブルを用いていました。

こうした、様々な用途に用いられている反面
実はその用途に応じた使い方が求められるのですが
ここ最近、混同されて使用されるケースを幾つか目にします。

次回は、この用途と種類、そして同軸ケーブルのインピーダンスについて

お話ししたいと思います。