2016年3月17日木曜日

同軸ケーブルについて(その2)

前回は同軸ケーブルの簡単な構造についてお話しました。
今回は身の周りに存在している同軸ケーブルの種類についてお話しします。

まず、最も身近で使われる同軸ケーブルに、TV用のアンテナ線が
それに相当するとお話ししましたが、その区別する方法として
専ら、インピーダンスと言う値で示されています。

TVアンテナ線は「インピーダンス75Ω」と言う規格で表されます。
これは規格で定められており
「75Ωで設計された同軸ケーブルを用いること」
として周知されています。

他にも75Ωの同軸ケーブルを使用することを
定められたケーブルで比較的身近な物は

○アナログ映像用 コンポジットケーブル
(RCAプラグに黄色の目印が付けられた映像用ケーブル)
○S/PDIF用 COAXIALケーブル
(CDプレーヤーから出力されるデジタル用ケーブル)
○Word Clock用 BNCケーブル
(D/Aコンバーター等他の機器と同期する為のBNC端子搭載ケーブル)

が挙げられます。

それとは別に、同じ同軸ケーブルでも
もう一種類、違うインピーダンス規格を持つケーブルが存在しています。
それは50Ω同軸ケーブルです。

この50Ω線が主に使われるのは

○アマチュア無線用 アンテナケーブル
(アンテナ端子形状に応じて、様々な50Ω専用端子を取付)
○GPSアンテナ用ケーブル
○10MHz用 BNCケーブル
(原子時計やGPSからオーディオ機器へ同期接続する為のケーブル)

少し厄介なのは、この75Ωと50Ω同軸ケーブルは
ぱっと見、殆ど区別が付きません。

簡単な見分け方として、ケーブルの外装に
50Ω用5D-FB
75Ω用 5C-2V
 

この様に記載されています。
見分け方を簡単に言うと「5D-FB」とある型番表記の
2つ目のアルファベットが
「C」なら75Ω、「D」なら50Ωです。

XLRの極性と同じように
その誕生の経緯から、主に2種類の同軸ケーブルが市場に混在しています。
アナログケーブルとは違い、用途は規格で定められていますので
これに適合したケーブルを用いた方が、
伝送特性を設計上想定された範囲内で、使用することが出来ます。

これらのケーブルは高周波(主にMHz以上の帯域)で用いられます。
何故高周波か?低い周波数ではどうなの?
と言う疑問については、また改めてお話したいと思います。