前回まではPVCやPEと言った一般的に多く用いられる絶縁体についてお話ししました。
今回は、皆さんお馴染み(?)のPTFE,PFAと言った
フッ素樹脂絶縁体についてお話しします。
PTFEは正式名称は[ポリテトラフルオロエチレン]と言い
PFAは[パーフルオロアルコキシアルカン]で
舌を噛みそうになります。
いわゆるフッ素樹脂と炭素の合成樹脂になります。
テフロンと言う名称は、米デュポン社の登録商標名で
名前はフライパン等の調理器具に用いられる表面加工素材等で
ご存じの方も多いと思います。
絶縁体というのは理想が空気と言われています。
空気は静電容量が少なく、製品の中には導体と絶縁材との間に空気層を設け
静電容量を著しく減らした製品も登場しています。
しかしながら空気は導体表面の酸化を促進させてしまいます。
特に音楽信号は導体の内部よりも無く表面を多く通る事が分かっており
酸化が音質に与える悪影響も大きく、実際に酸化した導線を聴いてみても
音質に与える悪影響が極めて大きい印象がありました。
PTFEはその性質上、空気絶縁に近い素材と言われており
耐熱性も高く、素材への浸食もなく、絶縁材として高い性能を有しています。
最近では新たにPFAと言う同じフッ素樹脂も登場しており
こちらを絶縁材として採用されているメーカーも増えてきています。
性質はPTFEの仲間で、化学的特性も近く
ほぼ同じ物と捉えても差し支えないと思います。
利点としては
・耐熱性が高く、半田熱に強く熱熔解を起こしにくい
・静電容量も低く、可聴帯域に与える影響が比較的少ない
・絶縁性能が高い為、従来素材よりも薄くする事が可能
欠点としては
・350℃を超える高熱を加えると、変化・分解を起こし変質してしまう
・従来素材以上に外周に静電気を発生しやすい
・絶縁材料としては比較的高価
と言った点が挙げられます。
手触りや感触は、とても滑りが良く表面がツルツルしています。
ケーブル自体のツイスト化もし易く、素材として極めて安定している上に
熱にも強いので、加工も容易です。
PTFEやPFAを絶縁材用いたケーブルは、現代調の音質傾向を示す物が多い
印象があります。
性能が高い=高音質 とは必ずしも言えないところがオーディオの面白いところでもあります。