何回かに分けて、お話して行こうと思います。
アース接続端子を最も意識するケースとしては、
トーンアームからの接続でしょう。
アンプやフォノイコライザー等のPhono入力には、
アース線用のターミナルが装備されています。
これが未接続のままですと何も再生していなくても
「ブーーーーン」と言うハムノイズが出てしまいます。
カートリッジからトーンアームを通るケーブルはノンシールド線であり
アーム内部を移動中にノイズを拾ってしまいます。
トーンアームは9inch~11inch(およそ23~28cm)程の長さがあります。
その程度の長さでノイズが載ってくるとは、アナログ機器の使用経験が無い方には、
なかなか想像が付きにくいかと思います。
しかしカートリッジからの信号は極めて微弱な電圧のため、ノイズに対して脆弱です。
駆動モーターや電源回路、ラジオの電波にすら大きな影響をうけます。
その後、フォノイコライザー等で電圧を1000倍近くに増幅します。
すると、極わずかなノイズであっても非常に大きな影響が現れてしまいます。
これがハムノイズ発生の主なメカニズムです。
それを少しでも防ぐため、
トーンアーム部と機器間をアース線で繋ぎ、電位差を無くす事で
トーンアームの金属パイプにシールド効果を持たせます。
これに因ってハムノイズを大幅に低減する事が出来ます。
(これは、ケーブルのシールドと全く同じ原理です。)
金属パイプをシールド化することで、ケーブルを重くする事無くシールド効果を得られる
一石二鳥の理に適った設計と言える訳です。
このレコード用アースの他に、機材の感電防止用ACアースラインや
アンプにも、シグナル用アースターミナルを設けている機器があります。
繋ぐ事でノイズが低減する場合もありますが
逆に増えてしまうケースもあります。
更には時間帯によっても、ノイズが増えたり減ったりします。
これではアース接続をどう接続するかで迷ってしまいます。
次回はどうすればこの問題が解決するのか、と言う事で
私自身の実践と経験も踏まえ、引き続きお話していきたいと思います。