ケーブルと端子を繋ぐハンダについてお話しします。
オーディオ用と銘打って販売されているハンダを始め
プリント基板用や家電製品用など、様々な種類が販売されています。
現在販売されている半田は、欧州での鉛規制に従い、錫を主成分にしています。
以前は錫の他に鉛が多く含まれ、これが問題になったわけです。
例えばヴィンテージワイヤーを用いたケーブルを端子に半田付けする際は
こう言った錫と鉛を、製造されていた当時の半田を見掛けます。
確かに、当時の使用されていた環境に近づきますので
音も当時の音に近い物を再現するには、適しているのでは思います。
現在ではオーディオ用として有名になった半田が、銀入り半田です。
3~4%程度の銀を錫に加えるのですが、これにより
融点がやや高くなるので、半田作業に慣れた方で無いとやりづらく
パワーのある半田小手でないと融けづらくなっています。
では、そもそも何故銀を添加した物が出回ったかというと
細い銀線や銀コート線に半田付けをする際、馴染みを良くする為です。
各社から銀の比率を変えたり、様々銀入り半田を色々と試してみると
同じ銀入りでも各社で様々な個性があり、面白い物だと感心した記憶があります。
他には銅を1%程度混ぜた半田もあり、こちらはパンチの効いた
力強い音だったと記憶しています。
さらには金やプラチナ、他にもゲルマニウムや様々な金属を
配合したオリジナルブレンド半田もあり
使う方の好みに合わせた物を、選べるようになっています。
ですが、そんな半田も肝心の端子にしっかりと接続されていなければ
効果半減どころか、台無しになってしまいます。
末端加工に半田処理をせず、ネジ留めだけで留めてしまう
ケースを多々見掛けますが、以前のコラムでも述べましたが
銅の酸化を促進させ、ひどい場合には導通すら妨げてしまう場合もあります。
酸化を出来るだけ防ぐ為にも、導体に半田でコーティングをすると
酸化の影響を大幅に低減する事が出来ます。
○銅に半田(いわゆる錫)を混ぜる事で、音が悪くなる。
●半田で固めると、接触する箇所が減って音が悪くなる。
と言う理由で
敬遠される方もいらっしゃいます。
しかしながら、徐々に酸化が進み黒く変色した銅線は導通に悪影響が出ます。
最悪の場合には断線や不具合にも繋がります。
こうなると、音質云々以前の問題になってきます。
これを防ぐには導体の定期的に導体を剥き直す事になるのですが、
なかなか面倒で、現実的には難しいと思います。
であるならば、しっかりと半田を利用し末端処理を確実に行った方が、
結果的には音にも、性能の長期維持にも、適しているのでは無いかと考えます。
また接触に関しても、スペード端子やバナナプラグを用いても同様の問題があります。
半田処理した導体をターミナルへ直接接続しても、しっかり端子で締めてあげる事で、
確実な接続と接点を充分に得る事が出来ると思います。
弊社ではケーブルの末端処理は、長年に渡り安心してお使い戴けるよう
作業を行うよう、心掛けております。